2018年 10月 16日
『怪盗グルーの月泥棒』感想
『怪盗グルーの月泥棒』感想
(イルミネーション・エンターテインメント製作 2010年)
※画像はイメージです
【あらすじ紹介】
エジプトのピラミッドが何者かに盗まれた。怪盗のメンツを潰されたグルーは、月を盗むという途方もない計画を立てる。黄色い生き物・ミニオンという手下は大勢従えているグルーだが、いかんせん資金が足りない。
しかも、銀行の融資を受けるために必要な『縮ませ光線銃』は、ライバルのベクターが持っていた。ベクターの家に出入りする、児童養護施設の三姉妹に目をつけたグルーは、彼女たちを利用するために施設から引きとるが……。
気楽で陽気なミニオンたちが登場する、映画『怪盗グルー』シリーズの第一作。日本語吹き替え版のグルーは笑福亭鶴瓶、三女のアグネスは芦田愛菜が演じた。
先日、隣町のイベントがあり、野外劇場の映画がこの作品だった。ミニオンにはUSJで会うこともあり、親しみのあるキャラクターだったが、映画で見るのは初めて。
夜になるのを待って、スクリーンに映し出される映像は迫力満点だった。
ストーリーは、怪盗グルーの月泥棒が縦軸に、クッキーを売る三姉妹の境遇が横軸になっていて、それが重なり合う化学変化のような妙味は、大人でも楽しめる。
娯楽要素はたっぷりだが、母親に愛されないグルーの寂しさや、虐待に近い不遇に置かれる三姉妹など、社会的に複雑な要素もはらんでいて、仲良くなったグルーと三姉妹の行く末にはハラハラさせられる。
そんな中、愉快なミニオンたちの行動は常に笑いを誘う。本作ではマスコットキャラ的存在なのだが、迷走する登場人物たちの中で、彼らだけは素直で癒されるのだ。
息をつく間もないアドベンチャーと、ほろりと泣かせる親子愛。映画が終わってみて、少しの肌寒さに身体をさすりながら空を眺めると、三日月が輝いていた。クレーターまでよく見える。
この綺麗な月夜は、怪盗グルーとミニオンたちの贈り物にちがいない。